【165日目】フランスパンと凶器の日
今朝は珍しく早起きできたので、ちゃんと朝食を摂ることにした。冷凍庫に保存していたフランスパンを取り出し、程よい大きさに切り分けようとする。
しかし凍りついたフランスパンは想像以上の硬度を保っていた。恐らく五寸釘を打つぐらいなら造作もない硬さである。まともに立ち向かえば包丁が刃こぼれしかねないので、『HUGっと! プリキュア』を見ながら自然解凍を待つ。
それにしても冷凍庫とは恐ろしい代物である。普段何気なく口にしている食べ物を、鋼鉄の如き硬度に高めてしまうのだ。昔『名探偵コナン』で氷を使ったトリックが存在したが、冷凍したフランスパンも十分凶器になり得るのではないだろうか。
例えばこれを撲殺に用いたとしよう。警察は当然凶器の捜索を行うはずだが、もしも犯人がフランスパンを食べてしまえば、その発見は困難になる。完全犯罪の成立である。
ちょうど先日からミステリー小説賞の募集が行われているので、このフランスパンのトリックで大賞を狙ってみたい。阿呆な発想と思われるかも知れないが、世の中の小説には「死体を食べて犯行現場から消してしまう」という破天荒なトリックも存在するので、受賞の可能性もゼロでは無いと思う。もしも本屋で「フランスパン殺人事件」なる本を見つけたら、是非お手に取って頂きたい。
※追記1
死体を食べる作品といえば、大石圭先生の『湘南人肉医』や奈須きのこ先生の『空の境界』が思い浮かぶ。カニバリズムに関心がある方にお薦めです。