ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【233日目】社畜とアクア・ウイタエの日

私が務めている会社では、月毎に部署内のMVPを選出し、上長が直々に褒め称えるという変わった取り組みが行われている。

今月のMVPの1人として私が選ばれたのだが、その選出理由が「いつもPCを持ち歩いてトラブル発生時に対応できるよう備えているから」という、社畜精神を褒め称える内容だった。理想的な社畜である私にとって、これほど名誉なことは無い。ゴールデンウィーク初日のバーベキューにもPCを持って行った甲斐があると言うものだ。

それで気を良くした訳ではないのだが、私は今日もPCを持ち帰ることにした。ここのところシステムは安定稼働しているが、いつトラブルが発生するとも限らない。上司が充実した休日を過ごせるよう、万全の体制で待ち受けるのが部下の役目である。

しかしここで1つ問題が起きた。荷物が多過ぎて、PCが鞄に入り切らないのである。私の会社では災害用に備蓄していた飲料水と食料の賞味期限が切れかけているので、この度一斉に入れ替えることとなった。未だにペットボトルの飲料水は大量に残されているため、社員が各自手分けして持ち帰っている状況である。

理想的な社畜である私としては、当然この飲料水も持ち帰らなければならない。そうなると鞄の容積は必然的に狭められてしまい、PCを入れられる余裕が無かった。

仕方なく私は右手に2リットルのペットボトルを抱えたまま会社を出たのだが、電車の中でペットボトルを抱えるのは些か気恥しさも感じる。せめて手提げ袋に入れるべきだったと後悔したが、ちょうど車内にゾナハ病の感染者が居たので、ペットボトルの水を飲ませてみた。

するとどうだろう。彼は奇跡的にゾナハ病から回復し、人間を超えた能力を持つ『しろがね』へと変貌してしまった。一体どうして水を飲んだだけで、これほどの効果を得られたのだろうか。

不思議に思ってペットボトルのラベルを見ると、そこには「いのちの水」と書かれていた。いのちの水。即ち、生命の水。万病の霊薬「アクア・ウイタエ」である。

まさか防災時の備蓄用に「アクア・ウイタエ」が用意されているとは思わなかったので、これには私も驚きを隠せない。この水について詳しく知りたい方は、藤田和日郎先生の『からくりサーカス』をご覧頂きたい。時代を超えて楽しめる名作である。

 

※追記1

ちなみに職場には「生命のパン」と銘打った食料も大量に残されていた。一口食べてみたのだが、ほのかにアルコールのような風味がする不思議なパンだった。味について詳しいコメントは控えたい。生命活動を維持することが目的なので、味は二の次なのである。