ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【198日目】潮干狩りとあしゅら男爵の日

会社の先輩が潮干狩りに行ってきたらしい。ひきこもりの私からすると、「潮干狩り」はTVドラマや小説の中だけで行われる架空の行事であり、現実世界では起こりえないようなリア充イベントだと信じきっていたが、どうやら実在するようだ。

まだ4月の上旬だと言うのに、先輩は程よく日焼けして精悍な顔立ちになっていた。褐色の肌は健康そのもので、万年色白の私からすると羨ましい限りである。今年は先輩を見習って海に繰り出そうかと逡巡したが、電車がトンネルを抜けた瞬間に「海だー!」と明るく叫べる自信が無かったので、早々に断念する。

ひきこもりにとって、海は鬼門とも呼ぶべき場所なのである。おまけに私は蛞蝓の如く陰湿な性格の持ち主なので、潮風を浴びた途端に消散してしまうだろう。来世では先輩のように活発な人間に生まれたい。

そう言えば、今日の先輩は珍しく長袖のパーカーを羽織っていた。冬場でも半袖短パンを貫いていたのに、どうして今日に限って長袖なのか疑問に思った。

その理由を問い質したところ、先輩は不敵な笑みを浮かべながらパーカーを脱ぎ始める。突然のストリップショーに困惑を隠せないが、その両腕を見た瞬間に、長袖を着ている理由を悟った。長々と説明するのも面倒なので、ひとまずこちらの画像をご覧頂きたい。


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この写真をご覧になって何らかの違和感を覚えた方は、なかなか鋭敏な感覚の持ち主かも知れない。既にお分かりの方には蛇足となるかも知れないが、先輩の日焼けは左右の腕で袖の長さが異なっている。右腕が7分袖であるのに対して、左腕は5.5分袖といったところだろうか。なかなか斬新なアシンメトリーである。

先輩曰く、潮干狩りの際に日焼けしないよう長袖の服を着込んでいたそうだが、途中から暑くなって袖を捲ってしまったらしい。本末転倒もいいところである。

この状態でも十分に面白いのだが、どうせなら『マジンガーZ』に登場する「あしゅら男爵」のように、完全なアシンメトリーを目指して頂きたい。

先輩にその要望をお伝えしたところ、快く引き受けて下さった。流石はアシンメトリー界の超新星と呼ばれた男である。ちょうど近々バーベキューを開催するそうなので、休み明けの再会を楽しみにしようと思う。

もしも商用フリーの画像素材で「左右非対称の男性」を探している方が居らしたら、お気軽にご相談下さい。アシンメトリー以外のご要望にも柔軟に対応してくれます。多分。

 

※追記1

先輩を「あしゅら男爵」にするため、どうすれば半身だけ日焼けできるかを真剣に考えてみた。最も簡単なのは衣類などで半身を覆ってマスキングすることだったが、先輩は「面倒くさいから半分だけ地面に埋まる」という画期的な方法を提案して下さった。まさに悪魔的発想である。

 

※追記2

半身といえば、巷では半身浴なるものが流行っているらしい。友人にその話を伝えたところ、「右半身と左半身のどっちでやれば良いの?」という質問が返ってきた。悪魔的発想、第2弾。