ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【32日目】夢オチと一カ月の日

昨日は炬燵(こたつ)の誘惑にまんまと籠絡された私だが、薄れゆく意識の中で「明日こそは朝9時前に起床して、人間らしい生活を送ろう」と決意していた。

そして今朝。けたたましいアラームの音で目を覚ますと、時刻は8時55分を指していた。私はアラームを止めると同時にテレビをつける。

ここまでの流れは完璧だった。今日の午前中に残るミッションは、選挙に行って食料を買い込み、台風の襲撃に備えることだけである。それさえ済ませれば、午後は優雅に珈琲を飲みながらブログの更新に専念できる。

何を隠そう、この「ひきこもりろん」も投稿を始めてからちょうど一カ月が経つ。毎日更新する気など更々無かったのだが、恋人や友人、会社の先輩やSNSで知り合った方々から「おもしろい」というお言葉を頂けるたびに嬉しくなり、ついつい筆を取ってしまった。

しかしその一方で、私は自分の記事の無益さ加減にもいい加減辟易している。こんな出涸らしの茶のような貧相極まりない妄想を垂れ流し続ければ、いつの日か読者も離れていくことだろう。

そろそろSEOとやらを意識しつつ、何らかのテーマに絞ったブログに改造していく必要があるのかも知れない。そしてそんな改変を行うなら、今日のような節目の日こそ相応しいだろう。

私は情熱に満ちていた。今日こそ「ひきこもりろん」を立派なブログにしてやろうと。

やたらと白黒で喪中のようなデザインも、

スマホで見ると微妙に崩れるレイアウトも、

犬のイラストだらけの一覧画面も、

まるで一貫性のないカテゴリー分けも、

すべては今日をもって終焉を迎えるのだ。

善は急げと言うことで、私は早速行動を開始しようとした。しかしそこで、一つの違和感に気付く。窓から見える風景がやたらと暗く、まるで丑三つ時のような静けさを保っているのだ。いくら台風が接近しているからと言って、この陰り具合いは異常である。

私は改めて時計に目を移した。時刻は9時30分。しかしよく見ると、午前中ではなく午後、つまり正確には21時30分を指しているではないか。

まさか、という思いで私の背筋は冷たくなった。貴重な日曜日の21時間30分を寝過ごしたとあれば、週末を楽しみにがんばってきた先週の自分に会わせる顔がない。

枕に顔を埋めると、思わず涙が溢れそうだった。自分の顔面を何度も枕に打ち付けたが、不思議と痛みは無かった。やがて泣きつかれたように眠りにつき、再び目を覚ますと外は明るくなっていた。

「もしかして、夢……?」

日付を確認すると、10月22日の日曜日。私は安堵した。さすがに21時過ぎまで眠ることは無いと思ったが、すべては脳が生み出した幻覚に過ぎなかったのである。

改めて時計を見てみると、時刻は正午を指していた。目標の午前9時から考えると3時間ほど超過しているが、このくらいなら許容範囲である。なにせ私はひきこもりの屑なのだ。

シャワーを浴びて、近所の「まいばすけっと」でお菓子とジュースと冷凍食品を大量に買い込み、準備は万全である。

このあとアニメか映画を少しだけ視聴して、何冊か本を読んだら本格的にブログを改造しようと思う。もし万が一、明日になって何も変わった様子が見られなかったら、この記事自体が夢だったということにして多めに見て頂きたい。なにせ私は屑なのである。

 

 

※追記1

まいばすけっと」は安くて非常に優秀だが、ドミナント戦略のおかげで私の家の近所は「まいばすけっと」だらけになりつつある。大手コンビニチェーンの店舗は日に日に減ってしまい、少し寂しさを感じている。

 

※追記2

この一カ月間、公私ともに様々な出来事があった。しかしその多くは記事にされることなく、思い出として私の心の中に保存されている。起きたことをリアルタイムにお伝えするのではなく、味噌のように発酵させてから世に放り出すのが私のスタイルである。