ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【74日目】ファスナーと隠蔽工作の日

ここのところ週末の夜は漫画喫茶に立ち寄ることが多くなった。昨夜も例外ではなく、池袋の漫画喫茶で3時間ほど過ごした。『食戟のソーマ』『食料人類』『生贄投票』『カゲロウデイズ』あたりを読んだ。みんな面白かった。

気になった作品を読み終えた私は、タイムリミットの3時間を迎える前にお手洗いに立ち寄ろうと思った。余裕を持って行動することは大切だからである。

しかしその時、私は重大な事実に気づく。愛用のデニムパンツのファスナー部分が欠損し、いわゆる「社会の窓」が完全に解放されていたのである。

幸い、丈の長いニットセーターとコートを羽織っていたことで人目にはあまり触れなかったようだが、このまま帰宅するまで隠しながら歩くことを考えると憂鬱になった。割と気に入っていた服なので尚更である。

ひとまず私はお手洗いにひきこもり、今後の活動計画について再考した。本来は店を出た後に何箇所か訪れたい場所があったのだが、急所を解放したまま散策を楽しめるほど私の神経は図太くなかった。

そうなるとやはり帰宅するしか無くなるわけだが、果たして誰にも気づかれずに済むだろうか。一見するとセーターとコートで隠れては入るが、例えば小さい子どもがローアングルで覗き込んだりしようものなら私の秘密は簡単に晒されることだろう。

なるべく人との接触を避けようと考えた私は、漫画喫茶の利用時間を延長して人気が少なくなる時間帯を見計らった。夜が深ければ子供と遭遇する確率も低くなるはず。そんな浅はかな考えだった。

しかし私の計画は功を奏し、1人の子供と出会うこともなく駅まで戻ることに成功した。もちろん歩いてる時は必死にファスナー部分を覆い隠していたが、表情は何事もなかった風を装っていたので、きっと誰も気付かなかったに違いない。

電車で座席に座ろうとした瞬間が唯一危険に思えたが、リュックサックで前方を隠しながら腰掛けたので、恐らく対面に座った女性からも見えなかったはずである。気分はアキラ100%だった。

その後は地元の駅まで辿り着き、階段は使わずにエレベーターで昇り降りするなど、隠蔽工作を徹底した。何とか自分の家まで逃げ込むと、急に疲れがこみ上げてきたのは言うまでもない。

私は欠損したデニムを即刻捨て去り、少しの間不貞寝を決め込んだ。まったく、外に出るとやはりろくなことが無い。『カゲロウデイズ』のシンタローくんに共感した1日だった。

 

※追記1

今回読んだ作品で圧倒的に好きなのは『食戟のソーマ』である。キャラクターの個性が際立っていて、食に関する造詣も深い。絵は言うまでもなく美麗であり、ストーリー展開も手に汗握る。これって、文句なく名作なのではないですか。

 

※追記2

『カゲロウデイズ』は曲の世界観が好きだった。アニメ版や漫画版も決して嫌いではないのだが、あの曲自体の完成度が高かったので、若干の蛇足感が否めない。

でも頻繁に嘔吐する系主人公のシンタローくんは大好きである。メカクシ団の能力があれば、今回の私も楽に帰宅できただろうに。