ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【73日目】リハーサルと財宝発掘の日

今日は朝から部屋を掃除した。年末には大掃除という一大イベントが控えているので、今回の掃除は言わばリハーサルである。本番当日の楽しみを奪わぬように細心の注意が必要だった。

現在の私の部屋は一見すると綺麗に片付いているが、ベテランの鬼姑さんから見たら「まだ埃が残ってるわよ」と言われるような、実に中途半端な状態である。何の話だ。

掃除は基本的には面倒くさいので疎かになりがちだが、不要なものを断捨離すると心做しか部屋が広くなったように感じる。やはり小まめな清掃は大切である。

書籍についても著者順に並べ直したりしたのだが、この作業のおかげで無くしたと思っていた本が2冊ほど見つかった。

私はこの2冊を完全に諦めて書店で買い直したばかりだったので、何故先週の段階で掃除をしなかったのかと後悔する。

上記の他にも、実に様々なものが見つかった。田嶋・T・安恵先生の『ドラえもん 最終話』。綾辻行人先生のサインが書かれた『奇面館の殺人』。その綾辻行人先生との対談が収録されている竹本健治先生の『匣の中の失楽』。これは現在販売されている講談社文庫ではなく、絶版となった双葉文庫版である。

この調子で部屋を掃除すれば、更なるお宝にありつけるに違いない。そう考えた私は、テレビ台の棚やベッド下の引き出しなど、あらゆる収納スペースを探した。

その狙いは的中し、次から次へとお宝が顔を出す。オタクという人種は基本的に「初回版」「限定版」という言葉に弱いので、真性のオタクである私の部屋にも様々な特典グッズが眠っていた。

さらに発掘を進めると、中学校時代に書いた小説やら読書感想文も顔を出した。言うまでもなく黒歴史なので私はそっとゴミ袋に詰め込む。そして考えた。これ以上探索を続けるのは危険なのではないかと。

しかし今の私の好奇心は、理性によって抑えられるものでは無かった。もしかしたら自分の記憶にないところで、宝くじの当選券でも眠っているかもしれない。夢が膨らむ。

そこから先の発掘は非常に困難を極めた。突如現れた巨大蜘蛛と戦い、隣の家から逃げ出して潜伏していた猫を保護し、数年前に行方不明になっていた友達と再会を果たしたりした。僅か8畳にも満たない空間にこれ程のドラマが隠されていたとは、一体誰が予測できただろうか。

残念ながらこれ以上の収穫は得られなかったが、私は旅の思い出と戦利品の数々をベッドの下にそっと仕舞いこみ、少し身体を休めることにした。まったく掃除とは大変である。1カ月後の大掃除本番が思いやられる。

 

※追記1

今日の話も大概妄想だが、巨大蜘蛛の話だけは本当である。規格外の大きさに、初めは蜘蛛だと認識出来なかった程だ。何とか捕獲して外に逃がすことに成功したので、地獄に堕ちた時は彼の糸に掴まって脱出したい。

 

※追記2

確実に自分のものではない男性用の靴下が半分だけ見つかった時は、得体の知れない恐怖を感じた。