ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【72日目】墓所と景観の日

ギザのピラミッドに設置されている「スフィンクス」は、その視線の先にケンタッキーフライドチキンを捉えていると言う。

時代の移ろいに合わせて周囲の景観が変わるのは致し方がないことである。しかしながら、有名な観光地を訪れた後にファストフードチェーンの看板を見掛けると急に冷静な気持ちになるのは何故だろうか。

私はここのところ深夜の徘徊を繰り返しているので、生活圏の周辺にある観光名所にはだいぶ詳しくなった。

昨夜も池袋から自宅を目指して歩いていたのだが、一駅ほど進んだところで意外な名所に行き当たった。場所はJR埼京線板橋駅前。ご存知の方も多いことと思うが、ここには新選組の「近藤勇墓所」があるのだ。

そもそも近藤勇には墓所が多い。私が訪れた墓所永倉新八によって建立されたもので、処刑場の近隣に位置している。一方で、三鷹市の龍源寺の墓所も有名だろう。出身地の調布市野水に近く、辞世の句が刻まれた句碑もこの墓所にある。

さらに福島県会津若松市の天寧寺には土方歳三が遺体の一部を葬ったとされる墓があり、山形県米沢市の高国寺にも従兄弟が首を持ち帰り埋葬したとされる墓がある。ここまで墓所が多くなると鎮魂どころの話ではない気もするが、それだけ多くの人に親われた存在だったのだろう。

高く聳える墓標に手を合わせたあと、私は墓所の様子をじっくり観察することにした。深夜の墓地を1人で徘徊するのはいよいよ不審者に思われそうなものだが、私は先日美容室でイケメンになったばかりだったので、周辺住人から怪しまれることは無かった。

この墓所の脇には何冊かのノートが置かれていて、近藤勇を偲ぶファンからのメッセージが数多く記されていた。イラストや写真を添える訪問者も多く、沖田総司をイメージした自作の歌詞を書いている方も居た。カオスだった。

そして十分に墓地巡りを満喫し、そろそろ帰ろうかと考えた頃のこと。再び墓標を見上げると、やけに黄色く輝いていることに気が付いた。

今夜はこんなに月明かりがあったかと振り返ってみると、そこにはマクドナルドの大きなMの字の看板が輝いていた。そしてそのすぐ側にはGEOもあった。以前に天祖神社を訪れた際も、すぐ側にGEOがあったような気がする。

実はGEOはレンタルビデオ事業を展開する一方で神霊・英霊の研究を重ねているのだが、私がその事実に気付くのは10年先の未来のことだった。

 

※追記1

深夜の散歩は心が踊る。それが休日前なら尚更である。ただ唯一、職質だけは恐ろしい。

 

※追記2

ちなみに私の友人は先日、池袋から六本木まで歩いていったらしい。電車代を節約するためとのことだったが、3時間かけて歩くならば短期・単発バイトをやった方が良いと思う。私以上の阿呆である。