ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【77日目】チョコレートとアサガオの日

今朝、出社するとデスクの上にチョコレートが置かれていた。私の職場では仕事中に軽食を摂ることが許されているので、お菓子を配り合うことも珍しくない。

きっと今回も心優しい誰かが差し入れを下さったのだろうと勝手に解釈し、私はチョコレートへ手を伸ばした。以前にもお伝えしたが、私は無類の甘党である。そこにチョコレートがあれば迷うことなく食べてしまう。なので、もし私を殺害しようと企てている方が居らしたら、チョコレートに劇薬を混ぜて渡すことをお薦めする。

私のデスクに置かれていたチョコレートは、白い包み紙でお洒落な装飾が施されていた。中身はホワイトチョコレートで、ミントのような欠片がうっすらと透き通って見えた。

これはさぞかし高価なお菓子に違いない。私は顔も分からぬ差出人に心からの感謝を捧げ、口の中へと放り込んだ。ホワイトチョコレートの優しい甘さとミントの爽やかな風味が調和しており、美味である。

しかし一瞬の間を置いて、私は舌に痺れを感じた。甘味や酸味とは異なる何かが、私の舌を刺激する。これは味覚ではなく痛覚によるものだ。私は慌てて珈琲を口にしたが、絶え間ない刺激が口内を襲った。辛い。

まさか本当に劇薬を盛られたのではと心配したが、どうやらこのチョコレートは室長からのお土産らしく、様々なフレーバーが楽しめるチョコレートとのことだった。確かに多彩な味を楽しむことができたが、しばらく経っても舌の痺れが消えなかったので、なかなかスリリングな代物である。製法が非常に気になるところだ。

そう言えば、かつて友人が家庭科の調理実習でアサガオの種を混ぜ込んだクッキーを作っていたことを思い出した。アサガオの種は見た目こそチョコチップに似ているが、その正体は牽牛子(ケンゴシ)と言う強烈な下剤である。

下剤には緩下剤と峻下剤という2つの種類があるが、アサガオの種は後者に分類される。峻下剤は即効性があり、食後間もなくして激しい腹痛に見舞われるのが特徴だ。

彼女は「嫌いな先生に食べさせる」と楽しげにクッキーを作っていたが、果たして計画は成功したのだろうか。

 

※追記1

本文におけるアサガオは日本朝顔を指しているが、西洋朝顔には幻覚作用もあるので注意が必要である。いずれも葉や花には毒性を持たないが、チョウセンアサガオは漏れなく全てが毒なので口にしてはいけない。

 

※追記2

以前にも職場で頂いたお菓子で悶絶したことがある。サルミアッキというキャンディで、北欧では馴染みのあるお菓子だそうだ。一口食べると強烈なアンモニア臭が口内に広がり、飲み込んだ後もしばらく後を引く味だった。