ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【36日目】汁なし担担麺と無言の日

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汁なし担担麺専門 キング軒

今日の昼食は上司に誘われて外食することになった。途中で他部署の先輩も仲間に加わり、男三人で楽しいランチタイムである。

向かった先は汁なし担担麺の専門店である「キング軒」。大手町に本店を構え、都内を中心に堅調な店舗拡大を続ける人気店だ。昼時には飢餓に苦しんだサラリーマンが行列をつくり、至高の一杯が提供される瞬間を心待ちにしている。

今日も店外まで行列が出来ていたが、私たちの決意は揺るがなかった。列の最後尾に加わると、ほのかに漂う山椒の香りが食欲を刺激してくる。悪魔的な誘惑である。

店内から出てくるサラリーマンたちは、誰もが幸せそうな表情を浮かべている。もうすぐ私たちも同じ気持ちを味わえるのだと思うと、この待ち時間すら愛おしく思えてくる。焦らされることに快感を覚えるマゾヒストと同じである。

そしてようやく店内に入ると、誰もが真剣に担担麺と向き合っている姿に圧倒される。「食べる」のではなく、とにかく「食う」。特性の醤油タレと挽肉、青ネギ、山椒が絡み合った麺を見れば、もはや食欲に抗うことなどできない。私たちも一切の会話を交わすことなく、汁なし担担麺と真剣に向き合った。

30回ほど混ぜた後に、すべての味が調和した究極の麺を啜る。山椒の辛さが口内を刺激するが、何故か水を飲もうとは思わない。それよりも「次の一口」を求めてしまうのだ。

すべての麺を食べ終えた後は、追加のライスを丼に投入する。旨みが凝縮したタレを絡め、酢や鷹の爪、後追いの山椒を振りかけて味を整えれば、〆の「担担ライス」の完成である。先程までとは違った食感を楽しみ、最後は火照った身体を冷やすかのように水を飲み干す。これで完璧である。

しばらく余韻に浸りたい気持ちもあるが、私たちは食べ終わった順に店を出た。少しでも回転率をあげて、多くの人に幸せを味わって欲しい。そんな気持ちだった。

最後に食べ終わった上司と合流すると、誰からともなく笑顔を浮かべた。美味しい昼食は人を幸せにするのだ。せっかくのランチタイムが「ほぼ無言」で終わったことに勿体なさも感じるが、同じ時間に同じ気持ちを共有することに意義があるのだ。

また時間のある時はキング軒を訪れたいと思う。残念ながら家の近所には支店が無いようだが、むしろそれで良かったのかも知れない。もし近所にあったら通い過ぎてしまう。ここのところ体重が増加傾向にあるので、しばらく節制した後に再び訪れたいと思う。

 

※追記1

池袋にも「楊」という汁なし担担麺で有名なお店がある。あの『孤独のグルメ』に登場した名店なのだが、五郎さんが本気で辛さに苦しんでいる様子だったので、訪れる勇気がわかない。しかしいつかは挑戦したい。

 

※追記2

昨夜の記事でアクセス数が増えてて怖いと書いたら、今日になって一気に落ち込んだ。その数、およそ四分の一。安定の低空飛行である。