ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【90日目】保育園と良心饅頭の日

知人の依頼で保育園の名前と教育理念(保育理念?)を考えることになった。保育園の名前だけならまだしも、理念まで他人任せにして良いのだろうか。

私は子どもが居ないので親御さんの気持ちは分からないが、大切なご子息・ご息女をお預けになるのだから、教育理念は少なからず気になるところだろう。(待機児童問題が叫ばれている現在、そんなことを気にしている方は少ないのかも知れないが)

そもそも理念とは、事業や計画などの根底にある根本的な考え方を指す。本来であれば当事者の確固たる想いを形にすべきものだが、知人はとにかく忙しい人なので、僭越ながら私が引き受けることになったのだ。

しかし当然、私は保育園の名前に詳しいわけではない。自身は幼稚園に通っていたので保育園の日常についても理解が浅く、ましてや夜になると「猟奇殺人」とか「都市伝説」といった物騒な話題を調べ回るような変態である。

将来有望な子どもたちに厨二病的な暗黒思考を植え付けるわけにはいかないので、私は胸の奥底へとしまい込んでいた僅かな良心を引っ張り出す羽目になった。久々に見る良心は塵芥にまみれており、心做しか以前よりも小さくなっている気がした。さながらドン・キホーテ圧縮陳列によって押し潰された饅頭のようである。

私は意を決して良心饅頭を飲み込むと、夢や希望にあふれた考えが次々と浮かんできた。幼い頃に祖母と遊んだ想い出や、親友と交わした永遠の友情の誓い、世界平和のために全力を尽くすという壮大な野望。そのすべてが懐かしく、新鮮でもあった。

今の私なら、例えどんなバッドエンドの物語でも結末を書き換えられる気がした。勢い任せに筆を取ると、保育園の名前や理念が次々と書き上げられていく。もしも今の私がランサーズやクラウドワークスを始めれば、年商1億円を軽く超えてしまうだろう。自分の才能が恐ろしくなる。

私のアイデアが詰まったメモを友人に渡すと、彼はとても喜んだ様子だった。人に感謝されることは気持ちが良い。報酬の方もさぞかし豪華になるだろうと期待したのだが、彼は私が席を外している間に姿を消してしまった。朝から連絡を取り続けているが、未だに返信は返ってこない。

私は先程飲み込んだ良心をジップロックに吐き出し、メルカリで出品しようと決めた。

 

※追記1

残念ながら保育園の名前は公開できないが、我ながらナイスなネーミングセンスだったと思う。50匹以上のコイキングに名前を付けてきた経験が活かされた。

 

※追記2

そういえば、私の上司の奥様もこのブログをご覧になっているらしい。こんな阿呆が部下に居るのだと思うと、さぞかし旦那様を哀れに思われことだろう。反省している。