ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【115日目】生誕祭と激辛タコ焼きの日

今宵は友人の生誕祭に参加した。彼は私が学生の頃からの友人で、古本屋でのアルバイトを通じて知り合った。音楽や文学の趣味が合うので、10年近く経った今でも交流が続いている。

今夜の生誕祭にはアルバイト時代の仲間も多く参加し、総勢6名の宴会となった。もちろん全員が男で、もれなく眼鏡をかけたオタクである。類は友を呼ぶのである。

この古本屋時代の仲間は基本的に頭がおかしい人たちの集まりなので、私は今日も酷い目に合うことを覚悟していた。

たかだか宴会で大袈裟だと思われるかも知れないが、彼らには基本的に「楽しければ何でもOK」という厄介な思考回路の持ち主なので、倫理や道徳と言う言葉が通じない。

以前に河原で花火大会を行った際は、両手に花火を持った男6人が私を包囲し、最終的には川の中へと追い込まれた。これだけでも悲惨なのだが、奴らはその後に河原の石を拾いあげ、私に向けて投擲してきたのだ。まさに鬼畜の所業である。

今夜も何かしらの健康被害を受けることを予期していたが、思いのほか和やかな生誕祭で、私は密かに安堵した。思えば皆と知り合って早10年。さすがに大人になったのだろう。

感慨深い気持ちになって酒を煽っていると、店員さんがラストオーダーを伺いにきた。私たちはそれなりに満腹だったのだが、参加者の1人が慌ててメニューを追加する。

「すみません、ロシアンタコ焼き1つ!」

……名前からお分かりのとおり、このタコ焼きは一見すると何の変哲もないが、6個のうち1個は激辛タコ焼きになっている。どのくらい辛いかと言うと、店員さんがメニューを運んでくる際に「黒い紙袋」を手渡してくれる程である。本当に辛いので、身体に異常を感じたらこの袋に吐き出せということらしい。

思えばこのメンバーが集まって、平和に終わる宴会など有り得ないのだ。今回の参加人数が6人なのも、このタコ焼きのために調整されたのだろう。用意周到にも程がある。他にやることは無いのか。

しかし私は先日、蒙古タンメン中本の北極ラーメンを完食した実績があるので、辛いものなど恐るるに足らずだった。全員がタコ焼きを1つずつ選び、いっせいに頬張る。

その瞬間、私の口の中に激痛が走った。辛さは味覚ではなく痛覚というのは有名な話だが、今回ほどそれを実感したことはない。口の中にはいつまでも痛みが残り、後味の悪さで言えば北極ラーメンを超えていた。

何とか食べきってその場は収まったが、現在は胃の中に猛烈な熱さを感じる。明日の朝が不安である。