ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【168日目】イエスマンと空想具現化の日

男性


今日は朝から自宅で働いていたので、これと言って書くことがない。職場への連絡事項はChatWorkを介して行うため、夕方過ぎまで一声も発しないまま仕事をしていた。

唯一会話を交わしたのは、近所のミニストップの店員さんである。空腹を感じてお弁当を買いに行ったのだが、そこで出会った店員さんが実に不思議な人物だった。

見た目は30代半ばの男性なのだが、注目すべきはその接客内容である。私がレジにお弁当を差し出すと、彼は元気な声で「温めますか?」と問いかけてきた。

私は食事よりも先に風呂に入りたかったので、「いえ、結構です」と答えたのだが、気付くとお弁当は電子レンジの中へと投入されていた。あまりにも自然な流れだったので、私は思わず自分が回答を間違えたような気分になる。

さらに不思議な接客は続き、彼は私に「WAONカードはお持ちですか?」と尋ねた。残念ながら私はnanacoカードしか持ち歩いていないため、「持ってないです」と素直に答える。

すると次の瞬間、彼はどこからかWAONカードを取り出し、私が購入した商品分のポイントをチャージしたのである。まさかお客さんが買った商品のポイントを、自分のカードに溜め込んでいるのだろうか。いくらカードを持っていないとはいえ、それは流石に職権乱用な気がしなくもない。

私は唖然とした表情で彼の動向を伺っていたが、彼は更に驚くべき行動に出る。ポイントをチャージしたカードを、何故か私に渡してきたのである。「カードをお返しします」という一言と共に。

当然ながら、このカードは私のものではない。その旨を彼に伝えると、何やら不思議そうな表情で「え……?それじゃあこのカードは誰のもの何でしょう」と疑問を口にした。こっちが聞きたい。

もしかしたら彼は、人の質問をすべて「はい」に変えてしまう能力・イエスマンの持ち主なのかも知れない。例え私が何と答えたところで、彼は「はい」という回答に沿った行動を取ってしまうのだ。

その結果、もしも「カードが存在しない」という現実との矛盾が生まれたとしても、彼は自分の敷いたルールによってカードを具現化してしまう。TYPE-MOON的な表現を使うなら、一種の空想具現化(マーブル・ファンタズム)である。

結局、カードは忘れ物として管理されることになったようだが、恐らく落とし主は永遠に現れないだろう。彼はまだ自分の「イエスマン」の能力に気付いていないようなので、悪用されないことを祈るばかりである。

最後に彼は、私にレシートが要るかどうかを尋ねてきた。普段は邪魔になるので断るところなのだが、私は何故か「はい」と即答していた。彼の空想具現化によって、私も「いいえ」という回答を封じられてしまったらしい。会社に居たらどんな面倒な仕事も二つ返事で引き受けることになっていただろう。危ないところだった。

 

※追記1

本来のイエスマンとは、目上の人に何を言われても「はい、 はい」と賛成する人のことを指す。そう言えば2009年頃に『イエスマン “YES”は人生のパスワード』という映画が公開されたが、個人的にかなりの傑作だと思うので、未見の方には是非お薦めしたい。ジム・キャリーがますます好きになった。

 

※追記2

普段から妄想ばかり書いているので今日の記事も「嘘日記」と揶揄されそうだが、すべて真実である。