ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【96日目】クリスマスとマシンガンの日

今日はいよいよクリスマス当日である。昨夜の記事ではサンタクロースとの因縁についてお話したので、おおよそ日記と呼べる内容では無かった。なので今日は昨日の行動に記そうと思う。

世間がクリスマスイブで盛り上がる中、私は何を血迷ったのか1人で表参道へと出掛けた。目的は特に定まっていなかったのだが、今年1年間の苦労を労い、自分へのクリスマスプレゼントでも買おうかと考えていた。

電車を乗り継いで表参道駅の地下通路を抜けると、太陽はすっかり沈んでおり、煌びやかなイルミネーションが夜を明るく染めていた。道行く人々は心做しか幸せそうな笑顔を浮かべており、改めて今日が特別な日であることを実感させられる。

大好きなVivienne Westwoodの小物を物色した後、宛もなく放浪していると、いつの間にか渋谷駅まで辿り着いてしまった。

普段から大勢の人が行き交う渋谷だが、昨夜は特に混雑ぶりが目に付いた。Free Hugsと書かれたプレートを掲げるサンタクロースや、日本のクリスマスを堪能している外国人留学生、TVドラマの主人公のように携帯電話越しに何かを叫んで走り出す青年など、色々な人が居た。

これ以上クリスマスの幸せオーラを感じると私の心が崩壊しそうだったので、ハチ公前のイルミネーションだけ撮影して駅へと向かう。その時だった。

大学時代に懇意にしていた友人を偶然発見し、私は思わず声をかけた。例えるなら希望の船エスポワールでかつての友人と再会を果たしたカイジの気分である。

彼は私の呼びかけに気付くと、本当に驚いた様子で振り返った。奇跡的な再会に喜んでいる様子だったが、彼の隣には恋人らしき女性が佇んでいた。私は「しまった!」と自分の迂闊さを呪ったが、もはや後の祭りである。

彼は恋人に私を紹介し、私を恋人に紹介した。「初めまして」という挨拶を笑顔で交わしながらも、私はこの場を立ち去りたい気持ちで一杯になった。

彼らの幸せオーラを直視できない私は、思わず視線を逸らしてしまったが、これもまた大きな失敗である。2人の手元に目をやると、あろうことか手を握っているではないか。それも普通の握り方ではなく、お互いの指と指を交互に挟んで握り締める「LOVE握り」だった。

それを目撃した瞬間、私のライフポイントは一気に8000ほど削られ、遊戯王だったら絶叫して倒れるほどの精神的苦痛を味わった。もしも神様が私にマシンガンをお与え下さったら、迷わず目の前の旧友を蜂の巣にしていただろう。危ないところであった。