ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【191日目】きのこの山とたけのこの里の日

きのこたけのこ戦争をご存知だろうか。1979年に明治製菓から「たけのこの里」が発足されて以来、40年近く続いている日本国最大級の内戦である。

小規模な派閥戦争は1980年頃から頻発していたようだが、21世紀前後にインターネット技術が爆発的な発展を遂げたことで、攻防は激化の一途を辿ることになる。

2018年現在も「きのこの山」と「たけのこの里」の間では熾烈な争いが繰り広げられているが、その戦火はついに我々の職場にも及んだ。

いつものように仲間内で昼食を摂っていたところ、ふとした会話の流れから派閥争いが始まってしまったらしい。その際の結果はほぼ全員が「たけのこの里」を支持し、韓国出身の男の子だけが「きのこの山」を推したそうだ(私はこの論争の時に席を外していたので、あくまで伝え聞いた話である)。

しかし詳しく話を聞いてみると、その男の子は未だに「たけのこの里」を口にしたことが無かったと言う。これは上手くすれば籠絡できるかも知れないと思い、先輩の女性デザイナーは早々にコンビニへと走った。

皆が昼食を終えたタイミングを見計らうと、先輩は購入したばかりの「たけのこの里」を開封する。何を隠そう、私も「たけのこの里」を熱烈に愛する1人なので、彼女の布教活動にかける情熱には胸を打たれた。

そして周囲の視線が集まる中で、例の男の子は人生で初めての「たけのこの里」を口にする。咀嚼する姿をじっと見つめていたのだが、皆の表情があまりに真剣すぎたのか、彼は食べている途中で笑いを堪え切れなくなった。申し訳ない気持ちでいっぱいである。

しかしこのまま彼の評価を聞かずに引き下がることも出来ないので、我々はあくまで関心が無いふりを装いながら、「どっちが美味しかった?」と尋ねた。

彼はしばらく考えた後、とても清々しい表情で「争う必要がありますか?」と答えた。全く持って仰る通りだった。日本は今日も平和です。

 

※追記1

ちなみに職場できのこたけのこ戦争が勃発した同日に、ポッキーとトッポについても激しい論争が繰り広げられたらしい。私は迷わずポッキーと答えたが、仲間のエンジニアは全員トッポ派だった。