ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【47日目】羽毛布団と幽体離脱の日

ここのところ冷え込みが厳しくなってきたので、久々に羽毛布団を引きずり出した。快適な睡眠は快適な寝具に宿るのである。

ふわふわの羽毛布団に包まれると実に寝心地が良いのだが、一方で身体を上から押さえ付けられているような圧迫感も感じてしまう。

昨夜は手術台に縛り付けられて眼球を抉られる夢を見たのだが、これは恐らく羽毛布団の圧迫感に因るものである。なので今夜はしっかり抵抗できるように、布団から手足を出して眠りたい。

 

睡眠に纏わる話で思い出したが、実は私には隠された特技がある。今まで95%の人が信じてくれなかったが、眠っている間に「幽体離脱」が出来るのだ。

いつも私の記事をご覧になっている方からすれば、大方いつもの妄想だと思われるだろう。気分はまるで狼少年である。

しかしこの特技だけは本当の話で、忘れもしない高校2年生の文化祭の翌日から急に出来るようになったのだ。

幽体離脱と聞くとお笑い芸人の「ザ・たっち」を連想されるかも知れないが、感覚的には正しくあんな感じである。私は未だに未熟なので両腕しか幽体離脱できないが、鍛錬を積むことで全身の離脱も可能になるらしい。

手順は非常に簡単で、金縛りにあった時に「幽体離脱したい!」と強く念じるだけである。しばらくすると強烈な耳鳴りが聴こえてきて、その音が収まる瞬間に無理やり身体を動かそうとすると、自分の肉体から液状に近い「別の身体」が抜け出てくる。繰り返すが、これは本当の話である。

幽体離脱と言うとどうしてもオカルトとして捉えられるが、私はこの現象を脳科学の観点から分析した。そもそも金縛りとは「睡眠麻痺」と呼ばれる睡眠障害のひとつで、簡単に言えば身体が眠っているのに意識だけが覚醒している状態である。

この時に動かない身体を無理やり動かそうとすると、脳が擬似的な肉体(の感覚)を作り出す。これが恐らく「幽体(アストラル体)」である。

実際に、事故や病気で四肢を失った方は「幻肢痛」に悩まされることが多いと聞く。これは失ったはずの手足に痛みを感じるという非常に厄介な病なのだが、ある医者が患者に「あるアドバイス」をしたところ、症状が劇的に改善したと言う。

そのアドバイスとは、「無くなった手でコップを掴んでみて下さい」というシンプルなものだ。その患者も最初は訝しんだようだが、実際に試してみると確かにコップを掴んだ感触が得られ、同時に痛みが緩和されたそうだ。

幻肢痛の多くは「四肢を失った」という現実へのストレスに起因するため、コップを握る作業で脳が擬似的な肉体感覚を生み出したのかも知れない。この事実からも、幽体離脱がオカルトな現象では無いことが類推できる。

のび太くんの「0.93秒で眠れる」という特技に比べると実用性の面で劣るが、お手軽に怪奇現況を体験してみたい人は幽体離脱に挑戦してみて欲しい。最初はなかなか成功しないが、水泳や自転車に乗るのと同じで、一度感覚を掴むと一気に上達する。

ただし安全性については保証しない。私が述べたのはあくまで脳科学の観点における分析であり、心霊現象として見た場合にどんなリスクが潜んでいるか分からないからである。

 

私は今まで20人ほどに幽体離脱の話をしたが、信じてくれたのは大学時代の同級生1人だけだった。

彼は「さっそく今夜から練習する」と張り切っていたが、それから数日して大学に姿を見せなくなった。私が卒業してから長い時間が経ったが、彼の失踪の原因は未だに謎のままである。

 

※追記1

何だかホラー要素の強い記事になってしまった。恐らく小野不由美先生の『鬼談百景』を読んだからだと思われる。

 

※追記2

私は幽体離脱の練習をする際、「幽体離脱入門」というサイトで心構えを学んだ。同サイトでは幽体離脱の方法論を解説するばかりか、28日間の無料通信講座まで受け付けている。怪奇現象も身近になったものである。