ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【68日目】人生相談と流行り言葉の日

訳あって高校生から人生相談を受けることになった。私が高校を卒業したのはかれこれ10年以上前なので、現役の男子高校生と会話が通じるのか非常に不安である。

ひとまず現代の若者は「それな」「あーね」「ワンチャン」「とりま」を使えれば会話が通じるそうなので、私はこれらの言葉を入念に練習することにした。

電車の中で高校生の集団を見つけては、脳内で彼らの会話に参加する。「とりま、池袋行こうぜー」「ワンチャン、付き合える可能性あるかもよ」と彼らに提案とエールを送り、少しずつ自信が付いてきた。

もっとも、彼の相談は直接会って聞くわけではない。LINE越しのテキストベースな会話なので、文章を考える時間は十分にあった。私は心を落ち着かせ、今をときめく男子高校生からの連絡を待つ。

そして仕事帰りの電車の中で、とうとう彼からの連絡が届いた。どうやら喧嘩別れしてしまった友人と仲直りがしたいらしい。あまりの青春ぶりに嫉妬の炎が燃え盛るが、そこは大人なので我慢した。本当は羨ましかった。

ひとまず喧嘩の原因が分からないと助言のしようも無いので、私は彼がすべてを告白するのを待った。あまり文章を書くのが得意では無いのか、拙い言葉で状況を説明してくる。

私は隙あらば「それな」を挟んでやろうと意識を集中していた。もちろん相談は真剣に聞いているのだが、あまり一方的に話させてもちゃんと聞いてるのか不安になるだろう。会話において適度な相槌は大切である。

今か今かと待ち望んだが、彼は私の会社の室長と同じで、短文のメッセージを小分けにして送ってくるタイプだった。「先週の」「放課後に」「遊んだんだけど」みたいな調子である。これでは「それな」を返す暇がない。

それに加えて、話をよくよく聞いていくとかなり深刻な問題であることが発覚した。少なくともこの場で明かせるような内容では無いので詳細は控えるが、ひとくちに高校生と言っても悩みは千差万別なのだと思った。

歳をとると「最近の若者は」という言葉で彼らを一括りにしてしまいがちだが、これは非常に愚かな行為だと私は思う。若者だろうが老人だろうが、善人もいれば悪人もいる。

人の価値はあくまで個人ごとで異なるので、一人ひとりに真摯に向き合うべきだと悟った。それから、「それな」は意外と使うのが難しいということが分かった。これからはもっとスムーズに言えるように鍛錬を重ねたい。

 

※追記1

本気で相談に乗っていたので記事の更新が遅れてしまった。反省。