ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【38日目】熱帯颶風と広辞苑の日

ここのところ週末は天候に恵まれない。晴れたら恋人を連れて井の頭公園にでも出掛けようかと考えていたのだが、またもや台風によって妨害されてしまった。

ちなみにタイトルの「熱帯颶風(ねったいぐふう)」とは台風のことである。かつて中国では四方から吹きまわしてくる風を颶風と呼び、日本でも温帯低気圧に伴う暴風を指す言葉として定着した。

残念ながら現在は用いられる機会も無くなってしまったが、このような古い言葉の歴史を調べると色々な発見があって面白い。

私は学生の頃に語彙を増やすため、よく辞典を読んでいた。小難しい言葉を見つけては手帳に書き写し、その日のうちに暗記する。何故そこまで努力したのかと言うと、単純に周りから「頭が良さそう」と思われたかったからである。

実際に頭が良いかどうかは定かではないが、新しい言葉を覚えれば当然その分は賢くなる。私は辞典を読むことに夢中になった。出来ることならこの世のすべての言葉を覚えるぐらいの意気込みだったと思う。

しかし先に述べた通り、言葉は時代と共に変化していく。つい先日も『広辞苑』が10年ぶりに改訂されるというニュースが話題になったが、「給水ポンプ」「スーパー特急」など時代の変化で不要になった言葉は削除されてしまうらしい。

確かに、今や誰も使わなくなった言葉を説明するのは無駄なことなのかもしれない。しかし、私は少しだけ寂しさも感じた。言葉は歴史の積み重ねであり、先人たちの歩んだ足跡でもある。その一部が消えてしまうのは、何だか心苦しい気がするのだ。

それに広辞苑は「国語辞典と百科事典を1冊に」というコンセプトで編纂されていたはずなので、出来るだけ多くの言葉に触れて欲しいという想いもある。

もちろん、ページ数などの都合である程度の厳選は必要だと思う。言ってしまえば私の我儘なのだが、大人が読んでも子供が読んでも、それぞれの世代が知らなかった言葉と出会える。そんな一冊になって欲しい。

あとついでにもう一つ我儘を述べると、かつて私が覚えた「小難しい言葉たち」は消さずに残して頂けないだろうか。

せっかく覚えたのに「日本語にそんな言葉はない」と一蹴されようものなら、私が苦労して築いてきた「頭が良さそう」なイメージが台無しになってしまう。それは非常に困るのである。

 

※追記1

言葉を言葉で説明するのは大変なことである。広辞苑の改訂にあたる関係者の皆様に、尊敬の念を抱かずにはいられない。来年1月の発売を楽しみにしています。

 

※追記2

元キックボクシング選手の佐藤嘉洋さんは、新明解国語辞典を持ち歩いて1日に1ページ読むことを日課にしているそうだ。Twitterの本人報告によると、もう間もなく読み終わるらしい。すごい。