ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【225日目】大人の夜と思い出の日

f:id:agoraphobic:20180304000244p:plain


昨夜は中学校時代の親友と再会を果たした。前回会った時から5年以上もの歳月を経ていたが、幸い彼は見た目がほとんど変わっていなかったので、難なく見つけることが出来た。

唯一、髪型だけオールバックになっていたが、これは彼が社会人として生きる上での心構えが現れているのかも知れない。かく言う私はいつもの乱雑なパーマ頭で現れたのだが、決して社会人生活を舐めている訳では無いのである。忙しい毎日を送る中で、髪の毛をセットする時間をなるべく省くための工夫なのである。

そんな与太話はさておき、昨夜の再会についてもう少し語ろうと思う。私たちはしばしの歓談を楽しんだ後、近所の「まいばすけっと」で酒と食料を大量に買い込み、私が暮らす賃貸マンションへと向かった。今回は「童心に返って朝までぶっ続けでゲームで遊ぶ」という企画も用意していたので、居酒屋などに寄っている暇は無いのである。

帰宅後は早々に乾杯し、まずはお互いの近況報告である。どうやら彼の家はとても近かったようで、自転車で15分ほどの距離に住んでいることが分かった。お互いに相談した訳でもないのに、恐ろしい偶然である。

更に一時期は職場も近かったようで、銀座や新橋の居酒屋にも頻繁に通っていたそうだ。お互いに気付かなかっただけで、何度か顔を合わせていたのかも知れない。スタンド使いが引かれ合うように、親友同士の間にも引力が存在するのだろう。

近況報告を終えた後は、中学校時代の昔話に花が咲いた。懐かしい名前やエピソードを聴くだけで、自然と笑いがこみ上げてくる。こんなに楽しい夜は久しぶりだったので、ついつい酒も進んでしまった。

しかしその一方で、私は彼の心境が気になっていた。彼はつい1週間ほど前に母親を亡くしたばかりである。現在は多少落ち着いているように見えるが、もしかすると、まだあまり実感が湧いていないのかも知れない。

この先、ふとした時に途方もない喪失感に襲われたりしないだろうか。私の両親は健在なので、彼の心境を完全に理解することは出来ないが、友として出来うる限りの支えにはなりたいと思う。

ひとまず今は再会を喜ぼうということで、飲み食いしながらゲームで遊んだ。「朝までぶっ続け」というキーワードに心を踊らせていた私たちだが、流石に年齢も年齢なので、深夜1時を過ぎた頃から急激な眠気に襲われる。人間は睡眠前に10分ほど笑い続けると快眠できるらしいが、私たちは再会してからほぼずっと笑っていたので、その分の睡魔も強力だった。

何とか互いを励ましあって遊んでいたが、それから30分ほどして暗黙的にゲームの電源を切った。社会人は翌日の影響を考えたうえで遊ぶのである。お互い、そのあたりの認識は大人になっていたようだ。

これで早々に眠れば良かったのだが、むしろ布団に入ってからの方が会話が弾んでしまう。お互いの恋愛事情について語り合ったり、不老不死になる方法を議論したり、TOKIOがこれからどうなるかを予想した。修学旅行の夜みたいなテンションだった。

そして気付けば眠りに落ちており、私が朝に目覚めると、彼の姿は無くなっていた。昨夜の会合が嘘だったかのように、部屋は静まり返っている。このブログでも散々架空の友人を生み出してきたが、とうとう現実世界でもエア友達を生み出してしまったのだろうか。

私が不安に思っていると、突然部屋の窓が開く音がして、ベランダから彼が現れた。どうやら昨夜の出来事は夢では無かったらしい。そしてどうして彼はベランダに居たのか不思議である。

お互いに予定があるので昼過ぎには解散することになったが、近いうちにまた遊ぼうと約束して見送った。どれだけ時間の隔たりがあろうとも、子どもの頃に育んだ絆は強いようだ。次回こそは朝までゲームが出来るように、体力づくりに励もうと思う。

 

※追記1

私が以前アルバイトしていた時の同僚が、親友と同じ高校に通っていたことが判明した。同僚に親友のことを知っているか確認してみると、「あぁ、ラグビーの授業で骨折した人ですよね?」と返答された。確かに彼は一時期骨折で入院しており、私もお見舞いに足を運んだことがあった。直接の面識はないものの、同級生というのは確かなのだろう。世間は狭いものである。

 

※追記2

そんな同僚との会話を親友に聞かせたところ、「俺って『骨折した人』って呼ばれてるんだ」と妙に楽しげだった。私は会社で『弱そうに見えて本当に弱い人』と呼ばれているので、そういった点でも良いコンビである。