ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【172日目】ガン×ソードと復讐劇の日

U-NEXTのアニメ見放題に『ガン×ソード』が追加されていた。これは2005年7月から12月に放送されたロボットアニメであり、多くのファンから支持を集めた。キャッチコピーは「痛快娯楽復讐劇」。

結婚式の当日、最愛の女性を殺された主人公・ヴァンは、惨劇を起こした張本人である「カギ爪の男」を探して旅に出る。その途中、「カギ爪の男」によって兄を誘拐された少女・ウェンディと出会い、行動を共にすることになるのだが……詳細はネタバレになるので伏せておこうと思う。

本作において幾度となく問いかけられるのが、「復讐を遂げた先に何があるのか」という疑問だ。例え憎い敵を殺したところで、最愛の人は帰ってこない。それでも半ば自暴自棄になって復讐を果たそうとするヴァンに、仲間たちは憐れむような視線を送る。

確かに復讐は何も生まないが、自分の最愛の人を目の前で殺害されたら、誰もが仇討ちを考えてしまうのでは無いだろうか。被害者の心境を推し量ると、「復讐は止めろ」などと安易に口にすることは出来ない。

ちょうど先日、熊谷6人殺害事件の被告に死刑判決が出たこともあって、罪と罰の在り方について深く考え込んでしまった。

今回の犯人(ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告)は法律によって裁かれることになったが、最愛の妻と2人の娘を殺害された男性は、今どんな心境で過ごしているのだろう。

アニメの世界は物語で、物語は都合の良いタイミングで終わらせることが出来る。しかし現実世界の被害者家族には「その先」の人生が残されていて、深い悲しみを抱えたまま生き続けなければならない。

殺人事件の被害者数は1955年の2119人をピークに減少傾向にあるそうだが、今なお少なからず殺人は行われており、復讐の火種は生まれている。そう考えると、何ともいたたまれない気持ちになるのは私だけだろうか。

もちろん私的な報復を認めてしまえば、現行の法律は破綻することになるだろう。それは先人が積み上げてきた歴史を踏み躙る行為に他ならないし、そうするつもりも無い。ただ、悲しみを背負った人たちの心を癒すために、何か出来ることはないものかと思う。

佐藤友哉さんの著書である『1000の小説とバックベアード』には個人のための物語を書く片説家という集団が登場するが、言葉で誰かを癒すことが出来たなら、それは素晴らしい職業だと思う。私も下らない妄想ばかり書き散らしていないで、片説家になれるよう頑張りたい。

 

※追記1

ガン×ソード』は途中から未視聴だったので、この機会に改めて観直してみることにした。昨夜の深夜から視聴を始め、気付けば全て観終わっている。週末にアニメを一気見したのは久々だった。時折胸を締め付けられるような話もあったが、面白かったです。