ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【213日目】ノイズとヘッドホンの日

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髪の毛が伸びすぎて妖怪のような風貌になってしまったので、夕方から散髪に出掛けた。目的地は昨年から通っている渋谷の美容室である。

道中は相変わらずポケモンGOに勤しんでいたのだが、いざ渋谷に着いてみると重大な過ちに気付く。ヘッドホンを忘れたのである。私は特別優れた聴覚を持っている訳では無いが、他人の会話が聴こえるとどうしても気になってしまう悪癖があった。

今日も周囲で交わされている会話が耳を劈き、危うく目的地への道のりを見失いそうになった。犯罪を示唆するような怪しげな会話や、青少年を拐かそうとする数々の勧誘。

渋谷の雑踏には人間の醜い部分が充満しており、それらがノイズとなって聴こえてくるようだった。「もしも今ヘッドホンがあれば岡崎体育の曲を大音量で流すのに!」とか不毛なことを考えながら、私は目的地に向かった。

疲れ果てた表情で美容室を訪れると、担当のお兄さんは「何かあったんですか?」と心配そうに声をかけてくれた。私は「人間の醜さに辟易したのさ」と答えようとしたが、あまりにも厨二病すぎるので自重した。ただ「人が多くて疲れたんです」と伝えると、新人のアシスタントさんが激しく同意してくれた。どうやらこの方は広島出身らしく、東京に来てから日が浅いとのことだった。

「東京で人気のスポットを教えて欲しい」と質問を受けたので、「やっぱり米花ホテルですかね」と即答してみる。このホテルは『名探偵コナン』に登場する架空の建物である。彼は「今度の休みに行ってみます!」と張り切っていたが、私は全力で止めた。驚異的な犯罪発生率を誇る米花町に足を踏み入れたら、きっと無事では帰って来られないだろう。渋谷など目じゃない程の危険地帯である。

無難に東京スカイツリーを勧めてみたが、後に調べたところ東京スカイツリーは「行ってみたら“期待外れだった”東京の観光地ランキング」の1位だったらしい(※gooランキング参照)。ひきこもりであるが故、純朴な若者に適当な回答をしてしまった。ノイズを垂れ流していたのは、どうやら私の方だった。

 

※追記1

渋谷とヘッドホンという組み合わせを聞くと、かつてニンテンドーDSで発売された『すばらしきこのせかい』というゲームを思い出す。主人公が常にヘッドホンをつけていて、渋谷の混雑ぶりに悪態をつく姿が印象的だった。現在はアプリでも配信されているので、ご存知ない方はぜひ遊んでみて欲しい。個人的にはかなりの名作である。

 

※追記2

美容師さんに「ポケモンGOを再開した」と伝えると、どうして今更と不思議そうな表情をされた。私は散髪している間にポケモンGOの魅力について語り尽くし、ついにはその場でインストールさせることに成功した。近日中、ナイアンティックからインセンティブが支払われるかも知れない。