ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【251日目】ガンプラと老後の日

電車で通勤している際、隣に座った老人がガンプラの雑誌を読んでいることに気付いた。ガンプラと言うのはガンダムのプラモデルのことで、恐らく日本男児の9割は青春を捧げた玩具である。

私も一時期ガンプラづくりに凝っていた時期があり、毎月のお小遣いをプラモデル屋さんに献上していた。初めはBB戦士と呼ばれる簡易版のキットを組み立てるだけだったが、徐々に塗料や接着剤を使うようになり、やがてはプラ板を加工してオリジナルのパーツを組み立てるようになる。ここまで来れば立派なオタクと言えるだろう。

傍から見ているとガンプラ作りの魅力は伝わりづらいが、バラバラだったパーツが1つの機体に組み上がっていく快感は病み付きになる。

マーカーでパーツのモールドに墨を入れたり、ウェザリングと呼ばれる技術で戦場のリアリティを出したりと、作り手によって様々な個性が出るのも面白かった。

そんなガンプラ大好き人間だった私だが、ある事件をきっかけに一線を退くことになった。あれは忘れもしない中学校時代、冷え込みの激しい冬のことだ。その日も私はプラモデルを作っていたが、あまりの気温の低さに窓を密閉してしまった。そんな中で塗料をふんだんに使用していたので、たちまち気分が悪くなり、親に発見された頃には歩くのが困難になる程だった。

それ以来ガンプラとは疎遠な関係になっていたが、今日の老人の姿を見て再びガンプラ熱に火がついた気がする。思えばプラモデルづくりは頭と手先を使うので、ボケ防止にも最適なのではないだろうか。

囲碁や盆栽も極めたい気持ちはあるのだが、趣味を通じて社会との交流を図る上で、ガンプラは非常に有利である。何せ初代TVシリーズの放送開始から現在に至るまで、幅広い世代に親しまれてきたのだ。我々が老人になる頃にも、きっと最新のガンダムが登場しているに違いない。

その頃には今の機体も「懐かしの逸品」として取り扱われるのだろうか。現在のガンプラは非常に洗練されたデザインなので、これ以上カッコよくなることが想像できないのだが、バンダイさんの底力に期待したい。