ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【255日目】サイボーグ009とサトツさんの日

今朝は早くに目が覚めたので、朝食を買いがてら散歩に行くことにした。まだ夜明けから間もないと言うのに、やたらと日差しが強くて憂鬱になる。ひきこもりの私にとって、初夏の気温は地獄でしかない。一体今年の梅雨はどこに行ってしまったのか。

コンビニでパンとアイス珈琲を購入し、早々に帰路につこうとしたのだが、そこで1つの異変に気付く。家の周辺にあるポケモンジムに、ことごとく空き枠が残っていたのだ。私は基本的に無課金プレイヤーなので、ジムはポケコインを稼ぐ唯一の場所である。他のトレーナーがポケモンを配置する前に、何としても辿り着かなければならない。

私は走った。ここ数年で1番の走りを見せた気がする。マラソン中のお爺さんを追い抜き、自転車の少年たちを追い抜き、トレーニングのためにバス停から走っているサラリーマンを追い抜く。気分はサイボーグ009だった。

その甲斐もあってか、目当てのジムが満席になる前に自分のポケモンを配置することに成功する。先日のコミュニティ・デイで捕獲した色違いのリザードンを残して、私は今度こそ帰路につこうとした。

しかしその時、また別のジムに空き枠があることに気付く。距離はわずか数100メートルである。私は再び走った。残りの枠はあと1つ。場所は住宅街の中心なので、近隣住民が目を覚ます前に向かわなければならない。奥歯に仕込んでいた加速装置を起動し、全力疾走する。

そしてこのジムの空き枠も無事に確保することが出来たので、私は今度こそ帰ろうとした。朝から疲労困憊である。先程購入したアイス珈琲を飲みながら歩いていると、驚くことにまたもや空き枠があるジムを発見する。一体今日はどうなっているのだろうか。

先程のジムから多少距離があったので、今度ばかりは流石に無理な気がした。ひとまず現場には向かってみるが、流石に走る体力は残されていなかったので、マイペースに歩いて近付く。朝から2カ所も設置できれば上出来なのだ。これ以上欲張る必要はないのである。

頭ではそう理解しているはずなのに、私の歩行スピードは徐々に加速していた。例えるならハンター試験のサトツさん状態で、気付けば自動車や電車も追い越してしまっていた。全くポケモンGOとは恐ろしいゲームである。ひきこもりの私に本気の走りをさせてしまうとは。

最終的に私は音速に限りなく近い存在となり、3カ所目のジムにもポケモンを配置することに成功した。きっとこの地域のポケモントレーナーたちは、あちこちのジムで私の名前を見かけることになるだろう。ガチ勢だと勘違いされないことを祈る。私はあくまで一介のひきこもりに過ぎないのである。

 

※追記1

夕方頃にジムの防衛状況を確認したところ、私のポケモンたちは全員瀕死の状態で帰還していた。最終的に獲得したポケコインは56枚。上出来である。目当てのハイパーボックス購入まで、あと1424枚まで迫った。気が遠くなる。

 

※追記2

バス停から走っているサラリーマンを見て、金城一紀さんの『フライ,ダディ,フライ』を思い出した。久々にゾンビーズシリーズが読みたい。