ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【275日目】おめでとうと人間不信の日

今朝出社すると、上司や先輩たちから「おめでとう」と声をかけられた。はて、何かおめでたいことでもあったのだろうかと疑問に思ったが、心当たりが無かったので同じように「おめでとう」と返した。

これが1人や2人なら気にも留めなかったが、昼を過ぎても一向に「おめでとう」の止む気配が無い。いよいよ不安になった私は、今日が何の日だったかを真剣に思い出すことにした。

まず最初に疑ったのは今日が誕生日という可能性だが、生憎私は2月生まれだった。しかし本当は6月22日生まれで、今まで偽りの記憶を刷り込まれていた線も無くはない。

念の為、生みの親である母上に確認してみようかと逡巡したが、「いよいよ頭がおかしくなったのか」と心配されそうだったので止めた。免許証で一応確認してみると、やはり私は2月生まれだった。

そうなると次に疑うのは人類補完計画である。かつて『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話で、主人公が「おめでとう」と持て囃されるシーンがあったのを思い出す。もしかすると私はゼーレの目論む人類補完計画に取り込まれ、シンジくんと同様に自分の殻を打ち破ったのかも知れない。

一応、父に、ありがとう。母に、さようなら。そして、全ての子供達(チルドレン)に、おめでとうを告げておき、今度こそ真剣に考えることにした。

しかしいくら頭を捻っても、皆から祝福される覚えが無かった。悪意を向けられている訳では無いとは言え、自分だけ状況を理解していないのは恐怖である。

もしかすると私は多重人格で、自分の知らぬ間に何か善行を働いていたのでは無いかと焦ったが、その原因は昼過ぎにようやく判明する。なるほど、これは確かに「おめでとう」と言われるような内容であり、私が知らないのも無理からぬ話だった。

真相が判明して安堵した私は、週末のワールドカップ観戦に向けて早々に帰宅し、惰眠を貪るのだった。一体何があったのかはご想像にお任せするが、一言だけお伝えするなら、私がミラ・ジョヴォヴィッチに会える日が近付いているかも知れないと言うことである。

 

※追記1

恐らくそんな日はやって来ない。

 

※追記2

人は理由もなく祝福されると不安になるということを知った。今度友人を見かけた際は、「久しぶり」ではなく唐突に「おめでとう」と声を掛けてみようと思う。