ひきこもりろん

広告ライターからエンジニアに転職し、現在はYouTuberデビューを目論んでいる「ひきこもり志願者」が日々の妄想を書き散らかすブログ。

【298日目】ビリヤードと童心の日

昨夜は中学校時代の親友と夜の街へと繰り出した。連休の初日ということもあって、私たちのテンションは最高潮である。手始めに目を付けたのは駅前のプールバーで、ドリンク代を賭けたビリヤード対決をすることになった。

ルールはお馴染みの「ナインボール」である。ご存知でない方のために簡単に説明すると、1番から9番のボールを順番にポケットしていき、最終的に9番ボールをポケットしたプレイヤーが勝者となる。

このルールの肝は「9番を落とせば勝ち」という点で、仮に1番ボールが9番ボールに当たってこれをポケットした場合、テーブル上にいくつボールが残っていても勝利が確定する。

私たちは「夜はまだまだ長いし、無理に9番を狙わずにまったり遊ぼう」と固く約束したが、最初のゲームで私が2番→9番のコンビネーションを決めてしまい、あっさりと決着してしまう。彼は「さっきの約束は何だったのだ」とご立腹の様子だったが、どんな手を使っても勝てば良いのである。人としては最低かも知れないが、ドリンク代が賭かっている以上負けるわけにはいかなかった。

そんな私の姑息な勝ち方に腹を立てたのか、2ゲーム目と3ゲーム目は親友が怒涛の勢いで勝利してしまう。これ以上の差が開くと逆転が厳しくなるので、4ゲーム目はまたもや9番を集中的に狙い、何とか勝利を収めることに成功する。毎ターン9番だけを集中狙いする戦い方は、さながらギャンブラーのようだった。

ちょうど勝敗が並んだところで、今度は気分転換に「エイトボール」で遊ぶことにする。これは1番〜7番のローボールと9番〜15番のハイボールでチームを分けて、順番に自チームのボールをポケットしていく遊びである。

自チームの7つのボールをポケットした後は、最後に8番のボールを狙う。この8番ボールを落とした方が最終的な勝者となるわけだが、その過程で相手のボールをポケットしてしまうと一気に不利になる。

親友はこのルールに不慣れだったせいか、ゲーム中に2つほど私のボールをポケットしてくれた。サッカーで例えるならオウンゴールの連発である。おかげで私はいち早く8番ボールに辿り着き、これをポケットすることに成功する。

何だか先程から運に助けられているような気もするが、それでも勝ちは勝ちである。このまま逃げ切れるように毎回セフティを仕掛けるなど姑息な戦法を取ったが、そこから彼の怒涛の快進撃が再開してしまい、あっという間に逆転される。やはり仕事もビリヤードも真面目に頑張る人が報われるのである。

ひともずこの場の代金は私が支払い、我々は次の店へと向かった。ちょうど駅前に良い雰囲気の居酒屋があったので、枝豆とビールを味わいながら雑談に興じる。話題はもちろん中学校時代の話である。

色々な思い出話をしているうちに、同級生たちの顔が見たくなってしまったので、私たちは電話帳に残っているアドレスを頼りに片っ端から連絡を取り合った。件名には「緊急同窓会のお知らせ」と記載し、本文には「今から朝まで飲みに行こう」という誘いを認める。この時点で時刻は23時半を回っていた。メールを受け取った側からすれば迷惑極まりないことだろう。

結局、居酒屋の閉店時刻になっても返信が貰えなかったので、我々は次の店に向かうことにした。今度は駅前の隠れ家的なバーに入り、少し大人な気分を満喫する。私がお気に入りのグラスホッパーを注文すると、彼はすかさず伊坂幸太郎の話題を出してくる。こういうところが素敵である。
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我々はしばし本の話に興じた後、これから先のことについて色々と語り合った。心は今でも若いつもりだが、世間的に見ればそこそこ良い年齢である。これから先の人生をより良く生きるためにはどうすれば良いのか、小一時間ほど語り合ったが、結局答えは出なかった。一生のことを考えるには、あまりに時間が少なすぎたのだ。加えて言うと彼はいつも朝が早いそうなので、深夜1時を回るとだいぶ眠そうな様子だった。

この話題は次回以降も引き続き考えることにして、我々は小洒落たバーを後にした。最後はコンビニでアイスを買って、舌を冷やしながら帰路につく。何だか中学校時代の下校時間を思い出した。あの頃はお財布の事情も厳しかったのでガリガリ君のお世話になっていたが、今の私たちはパルムやスイカバーを買えるほどに成長していた。大人になったものである。

個人的にはまだまだ話し足りない気分だったが、恐らく彼と遊んでいると時間がいくらあっても足りなくなるので、また来月の再会を約束して帰ることにした。久々に良い夜を過ごせたからか、私の寝顔はとても安らかだったそうだ(母親談)。たまには童心に返るのも悪くない。

 

 ※追記1

それにしても私の地元はこんなに田舎だっただろうか。昨日もタクシーやポケストップが少ないと愚痴をこぼした気がするが、ここまで長閑な風景ではなかった気がする。


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油断するとトトロやネコバスが出てきそうな雰囲気である。里帰りする度に童心に返ってしまうのも無理はない。きっとここは時間が巻き戻っているのである。